ドラム缶用語集 五十音
さ
用語 | 解説 |
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酸化皮膜 Oxide film |
熱処理加熱の際に鉄鋼が空気中の酸素と化合して酸化鉄をつくる現象を酸化といい、酸化によって生じたスケールを被膜という。 鋼板の一般的製造方法は、スラブ(Slabs、板用鋼片)を加熱炉に通し、圧延機にかけたのち後処理(酸洗、メッキなど)して製品化されるが、この工程中高温加工や、焼きなましなど熱処理された金属の表面に酸素の化合物である酸化鉄が生成される。これを通常スケール(Scale)または酸化皮膜と呼び、金属の表面が黒いため黒皮(Skin)ともいわれている。 なお一般的にはこれを硫酸、塩酸などで洗い、表面のきれいな酸洗材として市販される。 |
し
用語 | 解説 |
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地板 Bottom head, Bottom end |
地板の形状は平版(FLAT)のものと、ふくらみ(CONVEX)のものがある。 地板にはJISに規定、およびUNに規定されたものが圧出により表示されている。 |
シーム溶接 Seam welding |
抵抗溶接の一種。 円盤状の電極を用いて通電および加圧を行い、電極を回転させながら重ねた板を連続的に接合を行う溶接。ドラム缶製造工程では一般的に丸めた板の端部を重ねシーム溶接することにより、ドラム缶の胴体縦溶接に多く用いられる。 |
シール Seal |
シールには「密封する」「遮断する」などの意味があり、ドラムの場合は胴体と天板および地板の巻締部から充填した液体が洩れないようにすることである。 ドラム製造工程では一般的に充塡剤(シーリングコンパウンド)を使用し密封を確保する。 また、口金フランジ、口金プラグではガスケットにより気密を確保する。 |
絞り Drawing |
鋼板を各種の形状に加工する加工方法の一つ。 ドラム缶の場合は天板・地板の形状に加工する方法を絞り加工という。 |
(シート)エッジグラインダー (Sheet) Edge grinder |
鋼板のシャーエッジの酸化膜を除去し、ドラム胴体シーム溶接の品質を安定させるため鋼板端部を研磨する機械。 鋼板品質が悪かった時代によく用いられたが、近年鋼板品質の安定化が進み、現在では表面処理鋼板のエッジ部めっき剥離(溶接性改善が目的)等にのみ使用されている。 |
シーマー Seamer |
胴体と天板、地板を巻締める機械。 |
シームウエルダー Seam welder |
シーム溶接を行う機械。 ドラム缶では主にドラム缶胴体縦方向の重ね溶接に使用されている。 また、一部には天地板のチャイム部円周方向の重ね溶接にも使用されている。 |
質量 Mass |
ドラムの質量とは缶重量のことで、ドラムの種類H級、M級、LM級、L級ごとにJISによって下限重量がキログラム(kg)の単位で定められている。 |
衝撃点 Impact point |
(1)衝撃とは一般(物理、化学)的には、「急に物体に加えた力」と意味づけられており、ある物体に加えられた力の位置(点)である。 (2)JIS Z 1601対角落下試験の場合は、「天板を下にして胴体溶接部に最も近いチャイム」部を衝撃点としている。 |
充てん剤 Sealing Compound |
ドラムの巻締部から充填液が洩れないようにするため、胴に天板および地板を巻締め固定する際、巻締部に注入するシーリングコンパウンド(SEALING COMPOUND)のことである。 |
浄化槽法 | Private Sewerage System Law 浄化槽の設置、保守点検、清掃及び製造についての規制、浄化槽工事業者の登録制度及び浄化槽清掃業の許可制度の整備、浄化槽設備士及び浄化槽管理士の資格を定めること等により公共用水域の水質の保全等の観点から浄化槽によるし尿及び雑排水の適正な処理を図り、生活環境の保全及び公衆衛生の向上に寄与する。 |
振動規制法 | Vibration Regulation Law 工場や事業場の事業活動や建設工事に伴い発生する振動について規制する。 特定の工場・事業場の規制 都道府県条例によって、区域や時間帯ごとの規制基準が定められ、振動を発生する特定施設(金属加工機械、圧縮機等政令で種類・規模を指定)を設置したものはこの基準を遵守する。 これらの施設を設置の際には事前に市町村長への届出が必要となる。 |
消防法 | Fire law 消防法第2条7項に規定された危険物を収納し、輸送及び貯蔵容器として使用する鋼製容器について、性能基準が定められ、収納物が「液体」か「固体」かによって試験項目及び合格基準を決めている。 |
食品衛生法 | Food and health law 食品、添加物、器具及び容器包装を対象とする飲食に関する衛生法をいう。 食品又は添加剤を容れ、食品又は添加剤の貯蔵、運搬、授受のように供され、食品又は添加物に直接接触する使用法に用いるドラム缶を対象に定められている。 |
す
用語 | 解説 |
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スリッター Slitter |
上下一対の丸形刃物により鋼板を切裁する機械。 |
水圧試験 Internal pressure (hydraulic) test |
例えば、JIS Z 1601「鋼製タイトヘッドドラム」では、鋼製ドラムの水圧試験方法として、概略以下のように定めている。 ドラムに適切な方法で水を注入し、このドラムの胴体溶接部が上面になるように横置きにして、容器等級ごとに定められたゲージ圧で5分間放置し、漏れの有無を調べる。 ただしJIS Z 1607で定める「金属板製ふた・口金」(ペール)に関しては、口金を取り付けた容器に着色水をいれてふたを締め(A形は中ぶたをはめ、B形はプロテクタをする。)、ふたを下方に向けゲージ圧40kPaの圧縮空気を送り込み4分間放置した後、ふたから着色水の洩れの有無を調べる。 |
ステンレス鋼板 Stainless steel |
Cr、Ni、Mo等を合金した鋼板。 13%Crステンレス、18%Cr-8%Niステンレスが代表的なため、化学用、食品用、建築用に使用されている。 ドラム缶としてはSUS304が多く用いられている。 |
水溶性塗料 Water soluble coating | 有機溶剤を使用していない塗料(有機溶剤含有10%程度は水溶性塗料に分類される)。VOCの発生を抑止する目的で近年急激に増えつつある。溶剤性塗料と比べると若干のスペック低下は見られる。 |
水質汚濁防止法 | Water Pollution Control Law 公共用水域の水質の汚濁防止を図り、もって国民の健康を保護するとともに、生活環境を保全することを目的として制定された法律。 工場および事業所の特定施設設置の届出、公共用水域に排出される水質の規制、水質測定の実施等々の規制がある。 |
そ
用語 | 解説 |
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騒音規制法 | Noise Regulation Law 工場や事業場の事業活動や建設工事に伴い発生する騒音を規制する。 都道府県条例によって、区域や時間帯ごとの規制基準が定められ、騒音を発生する特定施設(金属加工機械、圧縮機等政令で種類・規模を指定)を設置したものはこの基準を遵守する。 これらの施設を設置の際には事前に市町村長への届出が必要となる。 |