ドラム缶用語集 五十音
か
用語 | 解説 |
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換気口 Ventilating opening, Vent |
ドラム缶の天板に取り付けられた内容物を出し入れするのを容易にするため、通気をはかる為に設けた開口部。 |
カール&ビーダー Curl & beader |
胴カールと輪帯(ビード)の2工程を一度に行う機械。 |
カールライニング Curl lining |
天板及び地板のフランジ端部をカールしその部分に充塡剤(シーリングコンパウンド)をライニングする機械。 |
仮栓 Temporary stopper |
容器の外装を塗装する際に、内部への塗料侵入を防ぐため口栓に取り付けるもの。 使い捨ての紙製や使い回しできる金属製のものがある。 |
可撓性(かどうせい) Exfoliation resistance, Flaking resistance |
金属板上塗膜は屈曲することで亀裂、剥離を生じる。塗膜の可撓性とはこの亀裂、剥離の発生の出にくいことをいう。可撓性評価の方法は塗料のJISに規定がある。 |
外観 Appearance,External finish |
一般に外観というと塗装後の完成品としての外観が浮ぶが、このほかに塗装前の外観検査がある。すなわち塗装後では判断できなくなってしまう胴体の溶接状況、キズ、さびなど使用上有害な欠点及び巻締状況の異常の有無など品質チェックの一項目である。 |
外観試験 Appearance inspection |
一般的に、外観試験は製品について数値的に表わせない項目について、目視により製品の欠陥を調査するものである。 |
内圧、外圧、(内外圧等圧) Internal pressure, External pressure (Isobaric internal & external pressure) |
液体を収納する鋼製ドラム等の落下試験においては、落下時の衝撃荷重により缶の形状が変形し、缶の内容積が変化して落下前と内圧(缶内部の空気圧力)が変わる。 落下前の内圧は外圧(缶外部の大気圧)と等しかったものが、落下後は一般的には内容積の増加により低くなり、内部の液体は漏洩しにくくなる。 そこで落下試験の判定基準の一つとして、落下後に内圧と外圧を等しく(内外圧等圧という)し、内溶液の漏洩を調べる方法がある。これをベントテストという。 |
ガスケット Gasket |
口金の気密性を保持する目的でフランジおよびプラグに取付けられるもの。 |
外面用塗料 Exterior coating | ドラムの外面用塗料とは鋼製ドラムの外面の防錆と美観の保持を目的としたもので、必要とする品質特性は密着性(被塗物であるドラムの表面に塗った塗料が剥がれ難いこと)、耐候性(いろいろの気象条件、環境下でも塗膜が安定していること)に優れたものが主として用いられている。 フタル酸系塗料も一部使用されている。 |
乾燥空気 Dry air |
dry air(乾き空気)。 含まれる水分が非常に少ない、もしくは全く含まない空気のこと。 容器内部の結露防止の目的で、この空気を容器内に置換する場合がある。 |
化管法 | 特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律 Law Concerning Reporting , etc. of Releases to the Environment of Specific Chemical Substances and Promothing Improvements to the Management Thereof 事業者による化学物質の自主的な管理の改善を促進し、環境の保全上の支障を未然に防止する。 この法律でMSDS制度(H24年度にSDS制度に統一)、PRTR制度が導入された。 |
化審法 | 化学物質審査規制法
Law Concerning the Examination and Regulation of Manufacture, etc. of Chemical Substance 人の健康及び生態系に影響を及ぼす恐れがある化学物質による環境の汚染を防止する。 ・新化学物質に関する審査や規制(製造、輸入) ・市場に流通後の化学物質に関する継続的な管理措置 ・第1種特定化学物質(PCBなど30物質)、第2種特定化学物質(23物質)の製造、輸入の数量を把握する。 |
き
用語 | 解説 |
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気密試験 Leakproofness test, Airtightness test |
例えば、JISZ1601「鋼製タイトヘッドドラム」では、鋼製ドラムの気密試験方法として、以下のように定めている。 ドラムに適切な方法で容器等級ごとに定められたゲージ圧の圧縮空気を送り込み、これを水中に浸すかまたは石けん水を塗布して漏れの有無を調べる。 |
危険物輸送に関する勧告 | Recommendation on the transport of dangerous good-Model Regulations 国際的な危険物の輸送に関する基準は、国連危険物輸送専門家委員会が作成した「危険物輸送に関する勧告」(通称オレンジブック)による。 このオレンジブックを受けて、国際的な危険物の海上輸送及び航空輸送の規定が以下の機関で定められた。 海上輸送: IMO(国際海事機関 International Maritime Organization) IMDGコード(国際海上危険物規定 Internationl Maritime Dangerous Goods Code) 航空輸送: ICAO(国際民間航空機関 International Civil Aviation Organization) T.I(航空機の危険物輸送安全技術基準 Techical Instructions for the Safe Transport of Dangerous Goods by Air) それらの規定について、各国が関係法令を整備し対応している。 日本における危険物の輸送の法体系は、次の通りとなっている。 海上輸送: 国土交通省の「船舶安全法」の「危険物船舶輸送及び貯蔵規則」 陸上輸送: 総務省の「消防法」の「危険物の規制に関する政令」、「危険物の規制に関する規則」並びに厚生労働省の「毒物及び劇物取締法」の「毒物及び劇物の運搬容器に関する基準」 航空輸送:国土交通省の「航空法」の「航空法施行規則」 |
危険物船舶輸送及び貯蔵規則 | Regulation for the Carriage and Storage of Dangerous Goods in Ships IMDGコードで規定された危険物を海上輸送する場合は、国土交通省の「船舶安全法」の「船舶安全法」の「危険物船舶輸送及び貯蔵規則」によらなければならない。 この規則に基づき、危険物の等級に応じた包装容器を使用する必要があり、容器はUNマークが表示されたものを使用が義務付けられている。 UN表示はUNマーク、容器の種類、容器等級と比重、水圧試験、年限、承認機関、国別、製造メーカーが表示される。 国土交通省は、UNマーク表示に対処すべく日本舶用品検定協会(HK)を認定し、HKは立会い試験の項目と基準などに基づき検査業務を行っている。 UNマークを表示された包装容器は危険物の等級に応じ、海上輸送、航空機輸送、国内陸上輸送に使用することが出来る。 |
危険物の規制に関する規則 | Regulation for the Control of Dagerous Goods 危険物の国内陸上輸送は総務省の消防法の「危険物の規制に関する規則」及び厚生労働省の毒物及び劇物取締法の「毒物及び劇物取締法施行令」により規制される。 「危険物の規制に関する規則」においては危険物の分類並びに危険等級が規定され、内容物の危険等級に応じた包装容器の使用が定められている。 消防法に基づき設立された危険物保安技術協会(KHK)が、性能試験確認を委託されており、 危険物包装容器の性能試験や調査を行っている。 危険物輸送種別に対応する容器の表示マーク(参考) ・海上輸送 UN ・航空輸送 UN ・国内陸上輸送 UN KHK *JSDA *JSDAはドラム缶工業会の自主検査方式で「危険物運搬用金属製ドラムの確認に関する自主検査」で実施要領、検査細目を定めている。 |
く
用語 | 解説 |
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クランプ Clamp | 取り外し可能でつめのない天ぶたを缶の胴体に締めつけるとき、天ぶたの外周の数ヵ所とカール部とを天ぶたの半径方向に締めつけるため用いるトッグル式の金具をいう。 |
クラフトライナー Kraft paper |
クラフト紙(NaOH、NaSを用いて製造したパルプを原料とする褐色の丈夫な紙)をはり合わせた板紙。 Kライナということもある。 |
クロムメッキ Chromium plating |
クロムの薄い層を他の金属の表面に被せ耐食性、耐薬品性を持たせるめっき。 めっき液中のクロム酸を電気分解し、鋼、亜鉛系ダイカスト等の金属表面に、金属クロムを折出させめっきする。クロムめっきの下地として、ニッケル,銅等のめっきが施されることが多い。めっきの目的により光沢めっきと硬質クロムめっきとにわけられる。 |
口金 Closure |
注入口、換気口を構成する口金フランジと口金プラグから成り立つものの総称。 |
け
用語 | 解説 |
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ゲージ圧(力) Gauge pressure |
(1)圧力はそのゼロ基準のとり方によって、絶対圧、普通圧、差圧の3種がある。 (2)普通圧はゲージ圧(力)ともいわれ、ゼロ基準に大気圧をとってその差圧を測るもの。 工業上広く用いられ圧力といえばゲージ圧(力)をさすことが多い。 |
検査用ねじゲージ Screw gauge for inspection |
ドラム缶に取り付ける前のフランジとプラグのねじを検査するためのゲージで、フランジの雌ねじを検査するプラグゲージとプラグのおねじを検査するリングゲージとがある。 ゲージには通りゲージと止まりゲージがある。 |
こ
用語 | 解説 |
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鋼製ドラム Steel drum |
最近はプラスチックドラムも出廻っているが、鋼製ドラムとは材料として熱間圧延軟鋼板、冷間圧延鋼板、溶融亜鉛メッキ鋼板、電気亜鉛メッキ鋼板、冷間圧延ステンレス鋼板などの鋼板を用いて製造されたものである。 |
鋼製オープンヘッドドラム Open head steel drum |
ドラム缶の天ぶたが取外し可能な鋼製ドラム。 一般的に粉体、固体用に主として使用され、そのほか一部液体にも使用される。 JIS Z 1600で規定されている鋼製オープンヘッドドラムをいう。 |
鋼製タイトヘッドドラム Tight head steel drum |
ドラム缶の天板および地板が胴体に永久的に固定されており、天板に注入口および換気口としての口金があるもの。 JIS Z 1601で規定されている鋼製タイトヘッドドラムをいう。 |
口栓部 Closure portion |
鋼製ドラム等の天板に取付けられた、注入口又は空気抜き等のための口金の周辺部分のこと。 |
小波(コルゲート) Corrugation |
小波状の数個からなる連続した輪帯。 薄手の鋼板(例えば1.mm未満)を使用したドラム缶は、通常の2~3個の輪帯に加えコルゲートを付与し、側面からの加重に対する強度の向上を図っている。 |
鋼帯(コイル) Coil |
コイル状で供給されるもの。 |
鋼板(シート) Sheet |
切り板で供給されるもの。 |
鋼製プラグ Steel plug |
材質が鋼板で、プレス成形、切削、転造、溶接等により製作されたプラグである。 |
高密度ポリエチレン High density PE (polyethyene) |
エチレンの直鎖状重合体。 半透明の固体で酸、アルカリ、溶剤に耐えるが、硬質炭化水素およびハロゲン化炭化水素には溶ける。 低密度ポリエチレンに比較して硬く、強さ、耐熱性がすぐれている。 |
合成ゴム(成形品) Synthetic rubber (Moulding) |
合成ゴムは天然ゴム以外のゴムをいい、主にペール缶巻き締め部のシーリング剤として用いられる。ペール缶に関しては合成ゴムの成形品はほとんど使用されていない。主成分は充填される内容物や容器物性により左右されるが、最も一般的なものとしてSBR、NBR等がある。 |
工業会標準色 JSDA standard colors |
ドラム缶工業会標準14色の事。 重金属規制の法整備を先取りする形で、工業会と関係塗料メーカーが数年前より検討を重ね開発に漕ぎ着けた、 近似の新色を含む完全重金属フリー塗料のラインナップ |
工場立地法 | Plant Location Law 工場立地が環境の保全を図りつつ、適正に行われよう規定している。 一定規模(敷地面積9000平方メートル以上又は建築面積の合計が3000平方メートル以上)の工場の敷地利用に関し、生産施設、緑地、環境施設の面積率が定められており、工場の新設、増設等を行う際は県知事に事前に届出を行う。 |
国際海上危険物規定 IMDGコード |
Maritime Dangerous Goods Code 国際海上危険物規定(IMDG CODE)では危険物の分類、性質及び等級が定められている。 引火性液体の危険物はクラス3に分類され、引火点が60.5℃以下で、沸点が35℃以下は容器等級Ⅰ、沸点が35℃を超え引火点が23℃未満は容器等級Ⅱ、引火点が23~60.5℃以下を容器等級Ⅲとし、使用すべき包装容器が規定されている。 |
航空法施行規則 | Ordinace for Enforcement of Aviation Law 国土交通省の「航空法」の「航空法施行規則」において、危険物を航空輸送する場合は、危険物の等級に応じた包装容器を使用する必要があり、容器にはUNマークを表示されたものを使用しなければならない。 |