ドラム缶用語集 分類
副材:副材料
用語 | 解説 |
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エポキシ樹脂系塗料(1) Epoxy resin |
エポキシ樹脂を塗膜主要素とする塗料。 特に耐アルカリ性にすぐれ、耐酸性、耐溶剤性、耐水性もよい。 またフェノール樹脂に比し、塗膜密着性、可撓性がよい。 |
エポキシ樹脂系塗料(2) Epoxy resin |
おもに高温焼付けタイプの塗料に多く用いられている。 密着性が良く、硬化すると耐薬品性・耐水性・可撓性(タワミやシナリに対する強さ)に優れるため、内面塗装として最も多く使用されている。 (おもな特徴:耐弱アルカリ性・熱硬化性・耐溶解性・密着性・可撓性) |
ガスケット Gasket |
口金の気密性を保持する目的でフランジおよびプラグに取付けられるもの。 |
クロムメッキ Chromium plating |
クロムの薄い層を他の金属の表面に被せ耐食性、耐薬品性を持たせるめっき。 めっき液中のクロム酸を電気分解し、鋼、亜鉛系ダイカスト等の金属表面に、金属クロムを折出させめっきする。クロムめっきの下地として、ニッケル,銅等のめっきが施されることが多い。めっきの目的により光沢めっきと硬質クロムめっきとにわけられる。 |
バンド(ボルト式及びレバー式) Closing ring (Bolt type & Lever type) |
ガスケット付天ぶたと胴とを密着固定させるために、断面がU型(又はV型)の鋼製バンドで締め付ける。 バンドの固定方法にはボルト式とレバー式とがあり、ボルト式はバンド金具にボルトを通してナットで締付けて固定する。 レバー式はバンドの金具をテコを利用した締付けにて固定する。 |
フェノール樹脂系塗料 Phenolic resin |
熱硬化性のフェノール樹脂を使用した塗料。 塗膜の透過性が小さいという特徴をもっており、有機溶剤を含む物質や弱酸性の物質に耐性が強い。しかし焼付けると可撓性が劣るため、可撓性のある樹脂(例:エポキシ樹脂)を加えた塗料が用いられている。 (おもな特徴:低浸透性・耐弱酸性・熱硬化性・耐溶解性) |
ユニクローム Uni-chromium |
亜鉛メッキに防錆性を確保する為のクロム酸(クロメート)処理を施したもの。 ドラム缶に於いては口金のメッキに多く用いられる。 クロメート処理には4種類程のものがあるが、ドラム口金では光沢クロメート、有色クロメートの2種類が多く用いられる。 内容はJIS H-8625で基準化されている。 |
圧入フランジ Inserted flange |
鋼製ドラム缶の天板に取り付けられる圧入タイプの注入口と換気口で、雌ねじを有するもの。 材質が鋼板でプレス成形により製作されたもの。 |
外面用塗料 Exterior coating | ドラムの外面用塗料とは鋼製ドラムの外面の防錆と美観の保持を目的としたもので、必要とする品質特性は密着性(被塗物であるドラムの表面に塗った塗料が剥がれ難いこと)、耐候性(いろいろの気象条件、環境下でも塗膜が安定していること)に優れたものが主として用いられている。 フタル酸系塗料も一部使用されている。 |
乾燥空気 Dry air |
dry air(乾き空気)。 含まれる水分が非常に少ない、もしくは全く含まない空気のこと。 容器内部の結露防止の目的で、この空気を容器内に置換する場合がある。 |
巻締め用充てん剤 Filler for seaming |
「充てん剤」と同義語でシーリングコンパウンド(SEARING COMPOUND)のこと。 このシーリングコンパウンドは合成ゴム、強化剤、アンモニア水などを主成分とした水溶性のもので、巻締部に注入、充填することによりシーリング効果を発揮するよう設計されている。 |
口金 Closure |
注入口、換気口を構成する口金フランジと口金プラグから成り立つものの総称。 |
鋼製プラグ Steel plug |
材質が鋼板で、プレス成形、切削、転造、溶接等により製作されたプラグである。 |
高密度ポリエチレン High density PE (polyethyene) |
エチレンの直鎖状重合体。 半透明の固体で酸、アルカリ、溶剤に耐えるが、硬質炭化水素およびハロゲン化炭化水素には溶ける。 低密度ポリエチレンに比較して硬く、強さ、耐熱性がすぐれている。 |
合成ゴム(成形品) Synthetic rubber (Moulding) |
合成ゴムは天然ゴム以外のゴムをいい、主にペール缶巻き締め部のシーリング剤として用いられる。ペール缶に関しては合成ゴムの成形品はほとんど使用されていない。主成分は充填される内容物や容器物性により左右されるが、最も一般的なものとしてSBR、NBR等がある。 |
充てん剤 Sealing Compound |
ドラムの巻締部から充填液が洩れないようにするため、胴に天板および地板を巻締め固定する際、巻締部に注入するシーリングコンパウンド(SEALING COMPOUND)のことである。 |
水溶性塗料 Water soluble coating | 有機溶剤を使用していない塗料(有機溶剤含有10%程度は水溶性塗料に分類される)。VOCの発生を抑止する目的で近年急激に増えつつある。溶剤性塗料と比べると若干のスペック低下は見られる。 |
鋳造 Casting |
金属を溶解して鋳型により成形すること。 ドラム缶に関しては、口金に使用される亜鉛ダイキャストプラグが鋳造により製造されている。 |
天然ゴム(成形品) Natural rubber (Molding) |
天然ゴムを主成分とし、合成ゴムでは対応出来ない特殊な内容物向けに使用される。 主な用途はスタッカータイプペール缶、天蓋用ガスケットであり、容器の気密性もある程度保持される。 |
胴体、天・地板フランジ Body and heads flange |
チャイム形成するための部分で、胴体フランジとは胴体の端の外側に広がった周辺部分を指す。 天・地板フランジとは天・地板の絞り込まれた周辺に差し出た鍔部分を指す。 |
内面塗料 Internal coating |
ドラムには千差万別な物質が入れられ、輸送、貯蔵するためには欠くことのできない容器として幅広く利用されているが、現在では、新しい化学物質、放射性物質、または腐蝕性、浸透性、の強い物質などが充てんされることが多いため、その内容物に耐えられる合成樹脂系塗料、例えば、エポキシ系、フェノール系、ビニール系などの塗装をドラム内面に施す(Coating)ことにより、内容液におかされない内面(抵抗性)物性をあたえる目的で用いられる塗料をいう。 |
覆輪 Chime reinforcement |
ドラムの胴に天板および地板を巻き締めた部分をチャイム(CHIME:ビヤ樽などの出縁のこと)というが、この部分を補強あるいは変形しないよう保護するためにU形断面のリングを被せロールによって巻き締めながら取り付ける部品。溶接によって取り付けることもある。 慣用語としてチャイムリング(CHIME RING)と呼ぶこともある。またアメリカなどではレインフォースメント(REINFORCEMENT:補強材)と呼んでいる。 |