ドラム缶工業会について

沿革・変遷

ドラム缶工業会の沿革

ドラム缶は石油用容器として1899(明治32)年に米国で開発されましたが、わが国では1929(昭和4)年に日本石油が、山口県にある下松製油所の構内に「ドラム缶製造所」を設置して自家用ドラム缶を製造したのが最初です。その後、1932(昭和7)年に「日本ドラム罐製作所(現在の日鉄ドラム)」が、東京市城東区亀戸町にドラム缶工場を建設してドラム缶製造を開始したのが専門工場としての出発です。
その後、石油需要の急増を反映してドラム缶工場が増えてきたため、1938(昭和13)年に東京と大阪にそれぞれ「ドラム罐工業組合」が設立され、今日の工業会の基礎が確立されました。
ドラム缶工業会の創設から現在に至る変遷の概要は次のとおりです。

ドラム缶工業会の変遷

ドラム缶工業会の変遷



昭和13年6月 東部ドラム罐工業組合設立
昭和13年6月 西部ドラム罐工業組合設立
昭和14年2月 ドラム罐工業組合連合会設立
昭和18年6月 東部及び西部各ドラム罐工業組合を改組し、ドラム罐工業組合を設立
昭和19年7月 ドラム罐工業組合を改組し、全日本ドラム罐工業統制組合を設立



昭和21年3月 全日本ドラム罐工業統制組合解散
昭和21年3月 ドラム罐協議会設立
昭和22年7月 勅令第74号により閉鎖機関に指定され解散
昭和22年8月 ドラム罐倶楽部設立
昭和25年3月 ドラム罐倶楽部解散
昭和25年4月 東部ドラム罐倶楽部、中部ドラム罐倶楽部、西部ドラム罐倶楽部設立
昭和25年6月 ドラム罐倶楽部連合会設立
昭和27年9月 ドラム罐倶楽部連合会および東部、中部、西部各ドラム罐倶楽部解散
昭和33年4月 ドラム罐工業協会大阪支部を関西支部と改称
昭和37年4月 ドラム罐工業協会をドラム罐工業会と改称
昭和62年4月 ドラム罐工業会からドラム缶工業会に用字変更
昭和62年10月 ドラム缶工業会関西支部事務所を閉鎖

1.戦 前

1938(昭和13)年6月、東京に「東部ドラム罐工業組合」、大阪に「西部ドラム罐工業組合」が設立され、翌1939(昭和14)年2月には、東西の組合を統括する「ドラム罐工業組合連合会」が設立されました。
さらに1943(昭和18)年6月、二つの組合を改組して「ドラム罐工業組合」が設立され、戦時経済が進展した1944(昭和19)年7月には、「全日本ドラム罐工業統制組合」が設立されました。

2.戦 後

1946(昭和21)年3月に「全日本ドラム罐工業統制組合」は解散し、「ドラム罐協議会」が設立されましたが、1947(昭和22)年8月には「ドラム罐倶楽部」に改組、団体活動を再開しました。
1950(昭和25)年、関東、中部、関西の各地区に「東部ドラム罐倶楽部」、「中部ドラム罐倶楽部」、「西部ドラム罐倶楽部」 が発足しましたが、業界全体が協調して活動する全国組織の設立を望む声が高まり、1952(昭和27)年9月、三つの地区組織を一本化して「ドラム罐工業協会」が誕生しました。

3.現組織

現組織は、「ドラム罐工業協会」が1962(昭和37)年4月に「ドラム罐工業会」と名称を変更し、1987(昭和62)年4月に「ドラム缶工業会」と用字変更されました。同年10月には関西支部事務所を閉鎖し今日に至っています。
同年2月、工業会が将来にわたって、より効率的・積極的運営をはかるため、工業会の当面する課題とその改善策に関する「運営委員会の答申」を受けて、工業会の運営・組織が全面的に見直されました。必要に応じて臨時委員会を設置することとし、3月に危険物容器対策委員会が設置されましたが、その目的が一応終了したので1992(平成4)年6月に同委員会は廃止されました。
1991(平成3)年の国際会議で鋼製ドラムの国際標準化を検討課題とすることが決定し、国際鋼製ドラム製造業者連合会(ICDM)に「鋼製ドラム国際標準化アドホックワーキンググループ(WG)」が設置されたのに伴い、ドラム缶工業会でも国際標準化WGが設置されました。その後数回、ICDMアドホックWG会議で討議が行われ、1996(平成8)年に滋賀県大津市で開催されたICDM役員会で鋼製ドラムの国際標準化に関して合意に達しました。1997(平成9)年6月および1998(平成10)年1月の2回、ISOのWG会議が開催され、ISOとしての規格案が制定されました。2002(平成14)年8月にオープン缶、密閉缶については、それぞれ ISO15750-1、15750-2、口金についてはISO15750-3として最終承認され、ISOとしての規格になりました。
積極的な委員会活動を展開するため4月に常設4委員会を設置し、1992(平成4年)6月にはペール委員会を設置して常設5委員会に改組されました。その後2000(平成12)年6月に国際委員会の機能を企画委員会に統合して国際委員会を廃止し、常設4委員会に戻りました。
2011(平成23)年1月、ペール缶に関する業務委員会と技術委員会が統合して、「常設3委員会」(企画・統計委員会、技術委員会、ペール委員会)となりました。
2016(平成28)年5月、工業会会員各社の安全を強化するために安全委員会を新設し「常設4委員会」となり、現在に至っています。