ドラム缶工業会

ドラム缶用語集 五十音

用語 解説
対角落下
Drop across corners
落下試験の中の一つで、地板又は天板側チャイム部の一点を支え垂直に吊下げる方法をいう。 JIS Z 1601で指定されている対角落下試験で、ドラムの最も弱いとみられる「天板を下にして胴溶接部に最も近いチャイム」部となる様、地板の胴溶接部に対して反対側のチャイムから吊下げる。
耐圧性
Pressure resistance
ドラムの内圧による安全性能を示すもの。 消防法では液体の危険物を収納するすべての種類の運搬容器に実施しなければならないとされている。 たとえば危険等級Ⅰの危険物を収納する容器の場合は、250kPaの水圧を加えたときに胴体の溶接部、胴体と天板及び地板との巻締め部、並びに天板への口金フランジ巻締め部のような接続部からの洩れがあってはならない。
耐荷重性
Load resistance
ドラムに危険物を収納し積み重ねて運搬する場合の安全性能を示すもの。 運搬の際に積み重ねられる同種の容器の全重量と同じ荷重を容器の上部に加えた状態で24時間経過後に洩れ及び容器に変形のないこととなっている。
耐久性 Durability 耐熱性と同じように充塡剤(シーリングコンパウンド)に要求される品質特性。 ドラムをリサイクル(更生ドラム)使用しても、充てん剤(シーリングコンパウンド)が劣化して充填液が洩れたりしないようシーリング効果が持続する品質特性のことである。
耐候性
Weathe resistance or Weather proof
自然環境のうち、主として日光、雨風、雪、温度、湿度、及びオゾン、並びに、大気汚染物質などによる劣化に対する抵抗性を表わす一つの手法である。 JIS K 5600「塗料一般試験方法」等によれば、試験の種類としては(1)屋外暴露試験、(2)促進試験の2通りに分けられており、用いる装置、条件等が区別されている。
(1)の方法は長時間かかる欠点があり天候状態や場所により変化が大きいという短所はあるが、市場における劣化試験の再現性に優れる。標準的な試験場として、(A)米国フロリダ州マイアミ、(B)財団法人日本ウェザリングテストセンター(千葉県銚子市新町1065)が一般的に用いられる。 (2)の方法は実験室で屋外暴露試験の近似及び促進条件をもつ試験装置で、常に一定条件での試験ができるため性能評価、品質管理のために多く用いられている。
耐熱性
Heat resistance
ドラムの巻き締め用充塡剤に要求される品質特性の一つ。 ドラムの外面を塗装、焼き付け乾燥する場合の温度条件に適合する品質特性のことである。
代替物質
Substitute substance
鋼製ドラム等の落下試験を行うとき、運搬される物質そのものを収納して行うことが難しい場合、運搬される物質に代って使われる物質のこと。
大気汚染防止法 Air Pollution Control Law
人の健康を保護し生活環境を保全する上で維持されることが望ましい基準として、「環境基準」が環境基本法において設定されており、この環境基準を達成することを目標に、大気汚染防止法に基づいて規制を実施している。 ばい煙(いおう酸化物、ばいじん、有害物質)の排出規制、ばい煙発生施設の届出、ばい煙測定の実施等々の規制がある。 VOC(揮発性有機化合物)排出抑制についての規制もある。

用語 解説
中小型缶
Small & medium drum
容量が200L未満の缶(容器)をいう。 各種容量の缶(容器)が製造可能であるが、それぞれ形状が製造メーカー及びユーザーの要望に伴い異なる事が多い。 ドラムのTypeとしては200Lドラムと全く同じ型方式で製造される。 板厚は0.5~1.2mmと巾広く使用され、輸出用には200Lと同じ板厚(1.2mm)で製造される事もある。
注入口
Filling port, Filling opening
ドラム缶の天板に取り付けられた内容物を出し入れする為に作られた開口部。 充塡機により液体を注入するとき、あるいは排出するときジョイントの役目をする。 口金はフランジ(缶体に取付いている)とプラグから構成されており、プラグにはガスケットが付いている。
鋳造
Casting
金属を溶解して鋳型により成形すること。 ドラム缶に関しては、口金に使用される亜鉛ダイキャストプラグが鋳造により製造されている。

用語 解説
積み重ね試験
Stacking test
例えば、JIS Z 1601「鋼製タイトヘッドドラム」では、鋼製ドラムの積み重ね試験方法として、以下を定めている。 水を充塡したドラムを縦置きにし、その上に次式により算出される積み重ね質量に相当する荷重またはそれ以上の荷重を加え、24時間放置した後漏れ及び変形の有無を調べる。 W=((3-HO)/HO)×G
  W : 積み重ね質量に相当する加重
  G : 1缶あたりの総質量(kg)
  HO : 供試缶の外高(m)
※ 非危険物用ドラムは比重1の質量で試験する。

用語 解説
天板固着式缶
Non-removable tight head drum
一般にドラム缶で知られており、天地板をシーマーによって巻締固定した容器。 天板には大小二つの口栓があり、大栓より内容物の出し入れを行い小栓は空気抜きに使用する。 主に液体の貯蔵、輸送に用いる。
天板取外し式缶
Removable open head drum
オープン缶ともいい、天板(天蓋)にパッキンを嵌めバンドにて固定する容器。 天板を取外す事が出来るので内容物の出し入れに非常に便利な事が特徴。 主に粉体、固体の貯蔵、輸送に用いられる。
天ぶた
Lid
密閉缶用天板と同形状に加工した天板をオープン缶用に使用するために、フランジ部をカールし取外し可能に加工したものである。 天ぶたカール部にガスケットを取付け、バンドで胴と密着させて気密性を保たせる。 天ぶたには口金を付けることがある。
天板
Top cover, Top head, Top end
ドラム缶は胴体・天板・地板の3部分から構成されており、天板には注入口と換気口の2つの口金がそれぞれ1個取り付けてある。
ティンフリースチール
Tin free steel
錫を使用しないぶりき代用の表面処理鋼板をいう。焼鈍・調質圧延された冷延コイルに電解クロム酸処理を施し、表層に金属クロムおよびクロム水和酸化物層を折出させたもので、缶用材料として広く利用されている。TFSと略記される。 JIS規格としてはJIS 3315 に該当する。
電気亜鉛めっき鋼板および鋼帯
Electrolytic zinc-coated steel sheets and coils
熱間圧延軟鋼板、又は冷間圧延鋼板に電気メッキラインで亜鉛めっきを施した鋼板をいう。 使用目的によっては合金成分を添加してメッキ処理を行うものもある。
天然ゴム(成形品)
Natural rubber (Molding)
天然ゴムを主成分とし、合成ゴムでは対応出来ない特殊な内容物向けに使用される。 主な用途はスタッカータイプペール缶、天蓋用ガスケットであり、容器の気密性もある程度保持される。
胴体、天・地板フランジ
Body and heads flange
チャイム形成するための部分で、胴体フランジとは胴体の端の外側に広がった周辺部分を指す。 天・地板フランジとは天・地板の絞り込まれた周辺に差し出た鍔部分を指す。

用語 解説
胴カール
Body curl
オープンドラムの開口側の胴フランジを円型断面に加工して、天ぶたと胴体が固定しやすい様にしたもの。
塗装 Coating ドラム缶の塗装に求められるものは外装美観のほか、充填した内容物への耐性、長期貯蔵容器としての耐候性などである。 外面塗装は主にアミノアルキッド樹脂(メラミン樹脂)塗料が用いられ焼き付けにて塗装されている。 内面塗装には充填する内容物に合った耐薬品性が求められており、主にエポキシ樹脂系またはフェノール樹脂系の塗料を用い焼付けにて塗装されている。
胴体、天・地板フランジ
Body and heads flange
チャイム形成するための部分で、胴体フランジとは胴体の端の外側に広がった周辺部分を指す。 天・地板フランジとは天・地板の絞り込まれた周辺に差し出た鍔部分を指す。
毒劇物法 Poisonous and Deleterious Substances Control Law
毒物及び劇物取締法
急性毒性、皮膚や目への影響等を考慮した判定基準で「特定毒物」が規定されている。 特定毒物を製造、輸入、使用、所持、譲渡する場合の規定が定められている。
特定工場における公害防止の整備に関する法律 Law Concerning the Improvement of Pollution Prevention Systems in Specific Factories
製造業において一定規模以上の施設を設置している工場(特定工場)は公害防止統括者(正、副)、公害防止管理者(正・副)を選任し、届出を行う。
特定工場の規模に応じた国家資格を有する公害防止統括者、公害防止管理者を選任する。
特定工場の種類
(1)ばい煙発生施設
(2)特定・一般粉じん発生施設
(3)汚水発生施設
(4)騒音・振動発生施設